2007年12月13日

サッカーのちょっといい話〜第3話〜

昔、3歳下の弟とSFCのサッカーゲームをしていた。
リビングの大きなTVで、仲良く試合してたっけ。いつもオレが勝ってた。
弟は悔しそうに、時には泣きながら、「もう1回、もう1回!」とせがんできたもんだよ。
ほとんど2Dに近いゲームで、キーパーなんかあり得ないプレーしてた。
もちろん、選手の顔なんてみんな同じ。

あれから数年経って、何度か引っ越した。
高校生、中学生となって、もちろん部屋は個別に持ってた。
でも、2階のオレらの部屋にはTVのアンテナ端子がなくて、1回からケーブルを引っ張ってオレの部屋に1つだけTVを置いてた。
弟は頭が良くなくて、親がTVを部屋に置かせなかったんだ。
ゲーム機もPS2を繋いでて、(PSは引越しの時に廃棄)オレのいない時間に、弟はオレの部屋でゲームしてた。

その内、オレに彼女ができた。あまり長くは続かなかったけど、オレは都合がいい時はいつでもオレの部屋に呼んでた。
もちろん、弟はどんなに暇でもPS2ができない。
だから、弟はリビングで、偶然見つけたSFCを引っ張り出して、古臭いゲームをしてたらしい。
そしたら弟は、不定期にPS2で遊ぶよりもSFCをやる方が楽しいと思ったのか、ずっとリビングで遊ぶようになった。

そんな感じで4ヶ月くらい過ぎたのかな、オレは彼女と別れて、寂しかった。
弟はそんなオレを横目に、久しぶりにPS2で遊んでた。
しばらくして、弟はリビングからSFCを持ってきた。
「兄ちゃん、久しぶりにコレやらない?」
弟が持っていたのは、例のサッカーゲーム。
まだ持っていたのか、なんて言いながら、オレは1Pを手にする。
弟はその性格からか、ファールが多いのだが、それでもオレは圧勝する。
でも、確かに弟はうまくなってた。
「ちきしょー、めっちゃ練習したのになぁ・・・」弟は悔しそうな表情。
お前はいつまでたってもヘタだなぁ、と言いながらも、オレは弟にひどいコトをしていたな、と反省していた。

数日後、オレは弟のために中古でウイイレ7を買ってきた。
弟は最初、すげーリアルだ、とか言ってたけど、その内またSFCを取り出して、またあのゲームを起動する。
「兄ちゃん、もう一回やろ、次は勝つからさ」
そうして弟は、またオレに負けて悔しがる。

でも、そんな弟を持って、オレはすごい幸せだな、って感じた。

投稿者:FC-Cyberstationat 08:43| ジロー日記 | コメント(0) | トラックバック(0)

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