2011年04月07日

プロパガンダになるのは嫌なんだ

カズが中学生の頃。
あるとき、スポーツショップを経営する伯父がカズに言った。
「知良、おまえ、ワールドカップに出たいか?」
「もちろん。」
即答するカズ。
「何年のワールドカップに出るつもりだ?」
「ブラジルで修行して、日本に凱旋して、遅くても94年には日本代表として本戦に出るつもりだよ。」
「だったら、今日から寝る前にその出場年の回数だけリフティングをするんだ。94年まで毎日ずっとだ。」
「わかった。」
「落としたら、はじめからだぞ。」

94回のリフティングなど、カズにとっては簡単なことだった。
ただ、たとえ簡単なことでも、継続することは難しいということ。
雨の日も嵐の日も――人生の苦難のときにあって夢をあきらめないということのつらさを、
伯父はカズに身をもって知って欲しかったのだ。


数ヶ月して、伯父が夜中にカズの家をたずねると、庭先からてん、てんとリフティングの音が聞こえる。
――がんばってるじゃないか。
そう思いつつ耳をすまして、伯父は驚愕した。

「1991、1992、1993・・・1994回!」

投稿者:FC-Cyberstationat 12:56| ジロー日記 | コメント(1) | トラックバック(0)

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◆この記事へのコメント:

カズは、本当にいい選手だよなー

投稿者:2番であ〜る: at 2011/05/21 12:43

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